ロボットが人間のパートナーとして生活環境で働くためには,生活環境のなかにあるあらゆる物の情報に熟知している必要があります。そのために,ロボット自身が知識にない情報を発見・収集する能力を有する必要があります。さきがけ研究では,人間が生活する環境のあらゆる情報をロボット自身が発見し,再利用可能なデータベースの構築を目指します。
新たに知識を獲得する方法として,人間の動作に着目し,視覚と触覚情報を併用することで,知識に無いものや,視覚センサでは正確に計測出来ない情報に関して試行錯誤的に情報を獲得します。
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部屋に設置したセンサーで人間の行動を観察し,ロボットが探査する空間を限定します。広範囲の映像と3次元形状を計測するセンサを用いて設置型センサを開発しました。映像と形状から時間的に変化した部分を検出し物体の存在する領域を限定します。移動ロボットも用いてより詳細な情報を収集します。 |
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人間は視覚情報の不確かさを触覚情報で確かめることで情報を確認しています。ロボットが知識にない物を認識するたに,従来の視覚の情報処理に加え,触覚情報を併用した新しい物体認識の方法を開発しています。 |
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透明な物体をロボットが認識して把持することは難しとされています。しかし、人間が生活する環境にはガラスコップやペットボトルなど多くの透明物体が存在します。本研究では、視覚情報を手がかりに透明物体を発見、把持する研究を行っています。レーザ距離計とカメラの計測方法の違いに着目し、詳細な輪郭を抽出可能な方法を開発しています。 コップやペットボトルなどの透明物体の多くは背景が歪ん見えます。この歪みを利用することで透明物体を検出する研究を行っています。 |
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遠隔地にいるロボットが自律的に物体が密集している場所から特定の物を取り出すための技術の研究開発をしています。密集した場所から対象物を取り出す場合、対象物とそれ以外の物を分割し、切り出してから把持を行う必要があります。本研究では、探る動きを用いて個々の物体に分割し、把持を行います。分割に必要な動きと、分割の状態の認識について力学やビジョンの技術を使って研究を行っています。 |
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未知の対象を分割するための探り動作計画を確率的な手法(Partial Observation Markov Decision Process(POMDP)を用いて行う。POMDPを用いることで観測と動作の不確実性を扱うことが出来るが、未知の対象に対しては観測や動作によりどれだけ対象の情報を獲得出来るのか予測することが困難であった。本研究ではプリミティブ形状を推定する問題ととらえることで未知物体に対して動作計画を行うことを可能にした。また、人間の主観調査から把持に用いるプリミティブ形状の選定を行った。 |