災害現場で被災者を救助するために,人間が近づくことの危険な倒壊家屋や倒壊建物内の情報を安全に取得することが求められています.そのためには,がれきの隙間を縫って進めるロボットが必要です.さらに,ロボットは瓦礫内でさまざまな情報を正確に取得する必要があります. 内閣府革新的研究開発プログラム(ImPACT)の支援を受けて,東北大学,京都大学,早稲田大学,東京大学を中心に倒壊家屋内の探査・情報収集が可能な索状ロボットシステム(能動スコープカメラ)を開発しています. |
これまで開発してきた索状ロボットは,胴体全体が傾斜した繊毛により覆われた長さ10m程のロボットです[1].内臓したモータで胴体に振動を加えることで,繊毛が地面と固着・滑りを繰り返し,前進方向への推進力を発生します.胴体全体で駆動力を発生できるため,狭歪空間の探査を行うことができます.
先端にはカメラが搭載され,空気圧アクチュエータを用いて先端を上下左右に屈曲することができます.この機能により,進行方向の変更や,内部空間の見まわしが可能です.
過去の能動スコープカメラの詳細や,繊毛駆動に関する研究についてはこちらをご参照ください.
参考論文
[1] Fukuda Junichi, Masashi Konyo, Eijiro Takeuchi, Satoshi Tadokoro, “Remote Vertical Exploration by Active Scope Camera into Collapsed Buildings”, Proc. 2014 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems, pp.1882-1888, 2014
索状ロボットを実際に使えるようにするには,「モビリティ」の開発だけではなく,さまざまな情報を正確に取得するための「視覚」「聴覚」「触覚」が必要です.我々は,これまで開発してきた能動スコープカメラをベースにして,これらにかかわるさまざまな技術を他大学と協力して統合しています.我々の研究室では主に,「モビリティ」と「触覚」部分について研究開発を行っております.