Vib-Touch:Haptic Technology for Mobile Devices (SCOPE)
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本プロジェクトは総務省SCOPE:戦略的情報通信研究開発推進制度の支援を受けて行われています
指先による仮想能動触を利用した触力覚インタラクション技術に関する研究開発
目的
「どこでも手軽に利用できる触覚メディア」を目標として,小型携帯情報端末に搭載可能な小型触覚インタフェース(Vib-Touch)を開発します.この技術は,従来の問題であった普及可能なハードウェアの実現と有用なコンテンツの普及を目的とし,触覚メディアの普及のブレークスルーとなる基盤技術を確立します.
概要
ブレークスルーを生み出すハードウェア
これまでの触覚ディスプレイは皮膚の接触面内の刺激分布を制御するために,複雑なハードウェアが必要でした.本研究室で開発してきた触覚ディスプレイ法は,接触面内の刺激が一様であっても,触運動と連携することで複雑な触感を生成可能です.ただし,小型の携帯情報端末上では,触運動を行うための十分なスペースがなく,没入感も得られにくくなってしまいます.
そこで,本プロジェクトでは,ポインティングデバイスを操作する指先に振動刺激を加えることで,画面中のオブジェクトと触力覚インタラクション可能な仮想能動触を実現するVib-Touchというインタフェースを提案します.
Vib-Touchインタフェースを用いれば,指先でポインティングスティックに力を加えるだけで,画面中のオブジェクトとインタラクションすることが可能です.このような仮の触運動のことを仮想能動触と呼びます.
ブレークスルーを生み出す触覚コンテンツ
これまでの触覚ディスプレイは「つるつる・ザラザラ」などの触感のリアリティを追求してきましたが,その質的なクオリティは十分ではありませんでした.また,「つるつる・ざらざら」などの触感を呈示できたとしても,実用的なアプリケーションは限られます.
本プロジェクトでは,今までの触覚ディスプレイとは視点を変えて,触感そのものの質だけではなく,ある触感をもつ素材を撫でたときの運動感覚や力覚を再現することを目指しています.このような感覚呈示が実現されれば,GUI操作のサポートや奥行きのある形状の呈示,バーチャルペットとの相互作用の表現など,従来の触覚ディスプレイよりも実用的なコンテンツが生まれると期待できます.
従来,運動感覚は,力覚ディスプレイと呼ばれる大型のディスプレイ装置を用いて呈示されていましたが,本プロジェクトでは,皮膚刺激だけを用いて擬似的に運動感覚を呈示する手法を開発します.このような運動感覚を呈示できれば,モノを動かす,押す,力を受けるなどの感覚が力覚ディスプレイがなくても表現できるようになり,携帯情報端末でも実用的な触覚コンテンツが利用できるようになります.
研究開発の内容
本プロジェクトで研究開発を行う内容は,,以下の通りです.
発表論文
査読付き論文
- Masashi Konyo, Yohei Motoki, Hiroshi Yamada, Satoshi Tadokoro and Takashi Maeno, “Producing Distributed Vibration by a Single Piezoelectric Ceramics for a Small Tactile Stimulator,” Proc. IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS2008), pp.3698-3704 (2008年9月25日)
- Yuta Shiokawa, Atsushi Tazo, Masashi Konyo and Takashi Maeno, “Hybrid Display of Realistic Tactile Sense using Ultrasonic Vibrator and Force Display,” Proc. IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS2008), pp.3008-3013, (2008年9月25日)
- Takahiro Yamauchi, Masashi Konyo, Shogo Okamoto, Satoshi Tadokoro, “Virtual Active Touch: Perceived Roughness Through a Pointing-Stick-Type Tactile Interface,” Proc. The Third Joint Eurohaptics Conference and Symposium on Haptic Interface for Virtual Environment and Teleoperator Systems (World Haptics 2009), pp.605-610 (2009年3月18日)
- Shogo Okamoto, Masashi Konyo, Satoshi Saga, and Satoshi Tadokoro, Detectability and Perceptual Consequences of Delayed Feedback in a Vibrotactile Texture Display, IEEE Transactions on Haptics, vol. 2, issue 2, pp. 73-84, 2009
- Sho Tsuchiya, Masashi Konyo, Hiroshi Yamada, Takahiro Yamauchi, Shogo Okamoto and Satoshi Tadokoro, Vib-Touch: Virtual Active Touch Interface for Handheld Devices, the 18th IEEE International Symposium on Robot and Human Interactive Communication (RO-MAN'09), pp. 12-17, Toyama, 2009
- Sho Tsuchiya, Masashi Konyo, Hiroshi Yamada, Takahiro Yamauchi, Shogo Okamoto and Satoshi TadokoroVirtual Active Touch II: Vibrotactile Representation of Friction and a New Approach to Surface Shape Display Proc. IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS2009), pp.3184-3189, St. Louis, 2009
国内学会発表
- 山内敬大, 昆陽雅司, 岡本正吾, 田所諭, 指先操作型触覚インタフェースを用いた仮想能動触の実現 第2 報:力‐速度変換が粗さ感に及ぼす影響, 第9回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2008), pp. 965-966(2008年12月7日)
- 山田浩史, 昆陽雅司, 岡本正吾, 田所諭, 振動刺激を用いた摩擦感呈示法 ~Stick-Slip 現象の撮影・計測に基づく刺激の生成~, 第9回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2008), pp. 957-958(2008年12月7日)
- 土屋翔, 昆陽雅司, 山田浩史, 山内敬大,岡本正吾, 田所諭, Vib-Touch: 指先による仮想能動触を利用した触力覚インタラクション 第1報:皮膚刺激による運動錯覚を用いた3 次元形状の呈示,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'09講演論文集, 2P1-K07, 福岡市, 2009年5月
- 昆陽雅司, 山田浩史, 岡本正吾, 田所諭, 振動刺激を用いた摩擦感呈示法 -皮膚によって知覚する摩擦感と固着・滑り振動の関係-, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'09講演論文集, 2A2-K05, 福岡市, 2009年5月
- 土屋翔, 昆陽雅司, 山内敬大, 岡本正吾, 田所 諭, Vib-Touch: 指先による仮想能動触を利用した触力覚インタラクション-第2報:携帯型触覚インタフェースのコンセプトと試作, 第14回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集, 3D1-3, 東京, 2009年9月
- 岡本 正吾, 昆陽 雅司, 田所 諭, 運動に影響を与える振動触刺激:慣性・粘性などの機械パラメータを模した触刺激がヒトの手の運動に与える影響, 第10回システムインテグレーション部門講演会(SI2009), pp.112-113, 東京, 2009年12月
展示など
- テクノフロンティア モーションエンジニアリング展, 2009年4月15-17日
- the 18th IEEE International Symposium on Robot and Human Interactive Communication (RO-MAN'09), Interactive Oral Session, 2009年9月29-30日
- TECHTILE展 #3 触覚のリアリティ, 2010年2月26-28日
- インタラクション2010, 2010年3月2日
問い合わせ先
見学や共同研究・委託研究・技術指導等をご希望の方は,お気軽にお問い合わせください. 研究代表者: 昆陽 雅司